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北冬名鑑
Hokutoh Encyclopedia
湊谷夢吉 Minatoya Yumekichi


1950年京都生まれ。88年没。
70年代初頭「関西プロテクトフォーク」の一員として全国を放浪後、札幌に定住。73年にパフォーマー団体「銀河画報社」を設立、主宰する。同人誌『銀河画報』が北冬書房の目に留まり、76年『漫我駄』が『夜行6』に再録される。以後、急逝するまでに刊行された『夜行』全号に名を連ねる。
15年余の漫画家生活で残された作品の数は決して多くないが、湊谷劇画は漫画界に衝撃を与え、オールカラー作品「銀河探偵局事件帖」を『コミックモーニング増刊』に連載するなど、商業誌にも登場。漫画家・かわぐちかいじは『マルクウ兵器始末』について、「つげ義春さんの『日の戯れ』以来の感激」「つげ忠男さんが到達した劇画表現の最高のものに通じている」(無題『夜行11』収録)と絶賛している。
ミュージシャン・映像作家としても精力的に活動し、77年、山田勇男らと「銀河画報社映画倶楽部」を結成。処女作品『スバルの夜』をはじめ、多くの山田映画に関わった。
97年、アスペクトより主要作品を収めた『湊谷夢吉作品集』(全3巻)が刊行された。99年、二枚組の音楽アルバム『トベトベヒカウシャウネン』が、2005年には『湊谷夢吉集成レジェンド』(チクマ秀版社、既刊2巻)が発売された。2009年6月2日~7月12日、伊那のブックカフェ「本の家」にて「湊谷夢吉の世界」展が、2010年6月16日~22日、札幌ト・オン・カフェにて「湊谷夢吉とその時代展」が開かれた。
『夜行』6号から16号まで作品を(15号は文章、16号は追悼号)、『幻燈』7号に未発表作「回転一九七〇」を掲載、作品集に84年『魔都の群盲』(97年に限定復刻)86年『マルクウ兵器始末』88年『紅龍異聞』がある。80年代北冬を代表する劇画家。
2017.1.8 Kunimoto Kanei