aroundhere by Xenia
This is Not a Recovery.

北冬名鑑
Hokutoh Encyclopedia
安部愼一 Abe Shinichii





1950年4月7日、福岡県田川市生まれ。元SPARTA LOCALSメンバーの安部コウセイ・安部光広は実子。
高校卒業後から本格的に漫画を描き始め、70年『ガロ』に「やさしい人」でデビュー。上京して阿佐ケ谷に下宿し、後に妻となる畠中美代子との同棲をはじめる。71年、“美代子モノ”の最高傑作「美代子阿佐ヶ谷気分」を発表、以後『ガロ』『ヤングコミック』を中心に精力的に活動する。鈴木翁二、古川益三とともに“ガロ三羽烏”“一二三トリオ”として注目された。
70年代後半より『エロトピア・デラックス』などの「エロ本」に活動の場を移すが、絵は荒れ、作品は混迷を極めた。分裂病を発症し、80年代はほとんど作品を発表していない。
97年、『クイックジャパン』の人気連載「消えたマンガ家」(大泉実成、太田出版)に取り上げられ、再評価の機運が高まる。2000年より作品集の復刻が続き、漫画家・根本敬らの支持を得た混迷期の作品も単行本化される。93年より『ガロ』に小説を発表、現在も『アックス』にて連載中。
2009年『美代子阿佐ヶ谷気分』が映画化される(ワイズ出版、監督:坪田義史)。2010年4月より、西野空男主宰の漫画誌『月刊架空』にて、西野空男・斎藤種魚作画にて毎月短編を発表。
作品集に『美代子阿佐ケ谷気分』『日の興奮』『天国』(ワイズ出版)『愛蓮の家族/聖書 安部慎一 未刊行作品集』(青林堂)『迫真の美を求めて 安部慎一渾沌作品集』(青林工藝舎)『悲しみの世代』(まんだらけ)などがある。
87年『夜行15』に「悲しみの世代・短縮論」、00年『幻燈2』に「車」、01年『幻燈3』に「続・美代子田川気分」を発表している。
作品集に『孤独未満 安部慎一短編集』(79、限800)『まり子の憧れ 安部慎一短編集Ⅱ』(81、限1000、どちらも楡山書房、発売元が北冬書房)『私生活 安部慎一短篇集』(00、限480)『安部慎一短篇集 新版・私生活』(07)がある。
2017.1.8 Kunimoto Kanei